バイザー株式会社様は2023年9月より、「すぐメールPlus+」サービス内に「伝えるウェブ」APIを導入いただいています。
今回はバイザー株式会社 自治体ソリューション部の皆様から、「伝えるウェブ」導入の件や外国人住民の方へ向けた取り組みについて伺いました。
弊社は「行政から情報を届ける」ところをメインのサービスとして提供しております。「すぐメールPlus+」はメールやLINEなどのいろいろな手段で、手軽に情報連絡を行うことができるサービスです。緊急性の高い情報のほか、広報などの用途でもご利用いただいています。地方自治体を主な顧客としていて、たとえば地域住民の方への情報発信、学校であれば先生から保護者に対しての情報連絡、あとは自治体内でも職員への連絡など幅広いケースがあります。
「伝えるウェブ」のAPIを利用しているのは、メールを一斉に送付するという機能のところです。自治体から住民の方々に対して、緊急情報・防災情報の提供するなどのシーンをイメージいただければと思います。
メールを自動配信する際にAPIが動いて、文面を自動でやさしい日本語に変換して送る…という仕組みになっています。これによって自治体の職員の方々の、メールの文面をどうやって変えれば「やさしい日本語」になるか…という悩みが解消されるわけですね。そして受信側(登録者)の方からは「やさしい日本語」での受信を希望するかどうかを、各自で設定できるようになっています。
弊社の方針としては「誰1人取り残さない」という基本方針を掲げています。「すぐメールPlus+」については、90%以上の方はいわゆる普通の日本語で受信していただいている状況なのですが、数%の方は外国籍の利用者の方だということが分かっています。数字の上では数%であっても、当然ながら情報伝達の対象者です。
そこで「すぐメールPlus+」ではメールの自動翻訳機能の提供を始めました。自治体職員の方々で英語のわかる方はいても、例えばポルトガル語やベトナム語となると、各市の各部署に必ずしもいらっしゃるわけではないため苦戦されているケースがあり、こういった外国人住民の方への発信に課題意識をお持ちの組織は多くあるためです。また実はもともと「お客様が手動で辞書登録をして、メールの単語を置換する」ということ自体は伝えるウェブ導入以前から可能で、これもご利用いただいていました。
これらの取り組みを発展させる形で、「やさしい日本語」の受信を希望されている人向けに、自動でやさしい日本語翻訳をして送信する・さらに受信者側が設定で「やさしい日本語」での受信を選ぶことができるようにして、機能を提供する運びになりました。
実際に愛知県、静岡県など製造業が強い地域は、外国人住民が多いという性質がありますが「外国人住民向けの配信をしていきたい・内容を充実させていきたい」という声は年々強くなっている印象はあります。いわゆる大都市と言われるエリアも同様ですね。そして特に防災系は「非母語話者の方に向けていかに届けるか」という点が話題に挙がる分野だと思います。それこそ先日の台風10号のようなケースではご活用いただけたかもしれません。
※伝えるウェブ担当者より
データを見ると、確かに台風が来ている時期の変換数は増えていて、役所からのメールがそれだけ多く送られていることが分かります。
特に機能面での要望はありませんが、たとえば災害時などは集中的に利用があるので、突発的な利用の集中をさばくことができる規模のサービスだろうか?というのは気にしています。
※伝えるウェブ担当者より
今までは「利用の集中が原因で、長時間にわたってサービスがダウンしてしまった」という事象はありません。この点は今後の広がり・普及を見据えて増強することも社内で検討しております。
伝えるウェブの自動変換を実際に活用しているお客様からは、まだ反響はありません。ただ「すぐメールPlus+」の辞書登録や置換機能もよく利用されていますので、ニーズのある機能なのだと理解しております。
まずはサービスの利用者を増やしていきたいと思っております。「すぐメールPlus+」で多言語翻訳の機能を使っている方はかなりいらっしゃいますし、「やさしい日本語」の利用もメジャーなものになっていけばより良い情報提供が実現していくと思っています。