導入事例:茨城県 ひたちなか市様

「やさしい日本語」を日々の生活に浸透させていきたい

茨城県ひたちなか市様は、2022年2月から「伝えるウェブ」を導入していただいています。

今回もZoomを利用してお話を伺いました。導入に関してご対応をいただいた「情報政策課」の天日様、森戸様、ならびに在住外国人の方へのご対応を管轄されている「市民活動課」の大村様にもご同席いただきました。

ひたちなか市役所ホームページの画像

ひたちなか市について教えてください。

大村様:外国人住民は増加傾向にあります。特にコロナが明けてからは急増しており、昨年のはじめは約1,800人だったのですが、2,300人近くまで増えました。「やさしい日本語」については、市と国際交流協会が協働で取り組んでいます。市民向けの講座があるのですが、平成27年から「外国人の方との交流」・「日常生活にも役に立つ」というテーマに広げて、「やさしい日本語」を扱う市民向けの講座をほぼ毎年開催しています。また市役所の職員向けにも、「やさしい日本語」をテーマにセミナーを実施していました。

伝えるウェブを知ったきっかけについて教えてください。

天日様:ホームページリニューアルにあたり色々な自治体のサイトを見ながら情報収集していたのですが、とある事業者さんから「やさしい日本語」を紹介してもらいました。その時は足立区役所のホームページで翻訳機能を見て、「これはいい」と思いました。すぐに調べたところ「伝えるウェブ」であることがわかりました。「伝えるウェブ」による「やさしい日本語」は、私たち役所の職員が読んでもわかりやすい日本語になっていたので「外国人だけでなく、すべての人にわかりやすく伝わるはずだ」と感じました。すでに導入していた足立区の方にもヒアリングさせていただき、その後で直接アルファサードへ問い合わせました。

導入した反響などはありましたか?

大村様:ウェブサイトに「やさしい日本語変換機能が追加された」ということを、国際交流協会をはじめ関係機関に通知しました。使っていただいているようで、「便利になった」という声をいただいています。

ページの変換機能以外の機能はお使いでしょうか?

天日様:今日ここにいるメンバーは「やさしい日本語エディタ」を使っています。難しい文章をエディタ上で変換してみて、どういう日本語になるかを見てみることはよくあります。また市の防災訓練の際に告知をするんですが、伝えるウェブのエディタを使うと画像が作れるじゃないですか(「画像ダウンロード」機能)。これで「やさしい日本語」の告知画像を作っておいて、X(旧Twitter)のポストに添付することを試みています。この機能を使って、定型文を作っておけば、災害時に情報提供が速やかに行えると考えています。実際に被災したときに、情報発信のためのデータを1から作成するのは困難だと思われるので、防災訓練の時には作成するようにしています。

画像:ひたちなか市のX(Twitter)の投稿

天日様:辞書機能で、人名・地名のふりがなや優先度の調整などは行っています。課名が変わったり、選挙で議員さんが代わった時などに対応するようにしています。言い換えの方は、実際のサイト上の文言が変わってしまうことに少々怖さもあり行っていませんが、アルファサードさんの方で登録していただいていることは知っていますし、実際に変換はスムーズに行われているなと感じています。

また、ダッシュボードから利用率をチェックするようにしています。市のサイトには「やさしい日本語への言い換え」「ルビ振り」の機能がありますが、毎月数百件ほど利用されています。必ずそのくらいは見られているので「需要があるのだな」と感じています。

伝えるウェブへのご要望・ご質問などはございますか?

天日様:2点ほどあります。ダッシュボード画面から利用率をチェックしてCSVをダウンロードする時、毎回ではないのですが動作が重かったりタイムアウトしたりすることがあります。市役所の通信環境の問題だと思うのですが、何か気をつけられることがあれば教えていただきたいです。

あとは、エディタ上にWordをアップロードしたら変換されたものが返ってくる…みたいなことができると楽です。エディタに貼りつけてそれを処理する…という手順は理解しているのですが、複数ページにわたる長い文書を変換したい、と感じる時もあるのでご検討いただければ幸いです。

今後の展望を教えてください。

大村様:「やさしい日本語の浸透」は今後の課題です。講座などは実施していますが、そこで触れるだけで終わってしまっては日常にまで落とし込むのは難しいです。ただこういう実用的なツールがあると、それを使うことをきっかけに意識をするようになっていくと思います。ツールの使い方講座などを実施する中で、「やさしい日本語」の浸透を進めていければ…と思っています。

天日様:「やさしい日本語」を使った活動はしていますが、庁内外問わず浸透しているかというとまだまだごく一部です。そもそも元の文章がわかりにくいということがあると思うので、これをわかりやすくしたいです。元の文章がしっかりしていれば「伝えるウェブ」の変換もうまくいくと感じています。
また「やさしい日本語」を知識として知ってはいても、普段身の回りで目に触れる所、配布物などを見ても「やさしい日本語」が生活の中に無いのかもしれない、と感じています。外国の方向けのイベントについてLINEの告知をするのですが、「やさしい日本語」を意識した文章で送る取り組みをしました。今後も、たとえば多くの方が対象になる制度の場合に、通常版と「やさしい日本語版」の2種類の配布物を用意するなどの取り組みが必要かもしれないですね。

写真:天日様と森戸様と大村様
ひたちなか市
  • 情報政策課 天日様(左)
  • 情報政策課 森戸様(中央)
  • 市民活動課 大村様(右)

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