東京都足立区別ウィンドウで開きます は、東京23区としては初のやさしい日本語での情報発信を2020年の6月に開始しました。この取り組みには「伝えるウェブ 別ウィンドウで開きます」(やさしい日本語へのAI機械翻訳システム)をご活用いただいています。
やさしい日本語での情報発信を始めたきっかけ、運用にまつわるお話、システムの導入や活用方法などを足立区広報室報道広報課の町田様、金銅様、鈴木様にお伺いしました。
新型コロナウィルス感染防止対策のため、マスクをしてソーシャルディスタンスを保っての取材となりました。
近年、在住外国人が増加し使用言語も多様化している状況で、どのように区の情報やサービスをお届けするか が課題となっていました。そのような中で他自治体が取り組みはじめた「やさしい日本語」の存在を知りました。
そこで、何から始めようかと関係所管にて協議を行い、まずは、やさしい日本語ツーリズム研究会の吉開様をはじめ、数名の講師を招き「やさしい日本語とは?」というレベルから研修を行うことにしました。平成31年3月に職員向け、続いて令和元年7月に管理職向けの研修を実施しました。
その後、令和元年8月に先進自治体である横浜市へ視察をさせていただきました。また、その時にご紹介いただいた、日本語学の専門家である一橋大学の庵教授と共同で開発した「公文書作成支援システム」(公文書をやさしい日本語に変換してくれる仕組み)のご紹介をいただいたり、やさしい日本語化について助言をいただいたりしてきました。
どこから手を付けていくか検討していく中で、区民の皆様がよく知りたい情報であろう災害の情報や各種手続きの情報等から始めるのが良いだろうと考えました。おそらく最初に見るのはホームページですので、まずはホームページから始めることにしました。
公文書作成支援システムを用いて、いくつかやさしい日本語化を実施してみましたが、ホームページの膨大な量を変換するのは、数名の担当者では到底無理だろうと感じました。
そこで、WEBで検索しているうちに、アルファサード様の伝えるウェブにたどり着きました。サイトを一括で変換できるような類似のサービスは他にはなかったため、問い合わせさせていただきました。足立区としては、「まずはやれることをやっていく。」というスタンスで導入しました。
サービスを開始して1カ月ほど経ちますが、日本語を勉強している留学生から「良い取り組み。役に立っている」といった嬉しいメールが届いたり、他の自治体が視察に訪れるなど、徐々に反響をいただいております。
もう少し適正な変換になってほしい部分はもちろんありますが、英語の自動翻訳と同じように、多少の誤変換があっても意味さえ通じれば良いと考えております。また、同じく英語の自動翻訳と同じように100%の変換はできないことを承知の上で導入しております。
今のところ、誤変換に関するご意見はいただいておりませんが、すぐに修正ができるので、ご意見をいただいたら修正を行う想定でおります。
管理画面でアクセス数のグラフが見れるのですが、月毎に区切って見れるようになるといいなと感じました。
また、固有名詞等の行政用の辞書があれば便利だなと感じました。
現在、コロナ禍の影響で実現できていませんが、この状況が落ち着いたら、実際に「やさしい日本語」機能を利用している外国人や留学生の皆さんに使い勝手や要望等をお伺いして、更なるサービスの向上を図っていきたいと思っています。